35.大事な人が目の前からいなくなったあの日のこと
わたしの母は強い人でした。
そして、どんなことに対しても熱心。母子家庭で育ててくれた母は厳しくもあり、でも一番の味方でいてくれました。
そんな母が亡くなったのはわたしが高校3年生のとき。高校卒業式の二日前でした。
43歳。癌を発症してから10ヶ月後のことでした。 午前中に卒業式、そして午後から葬式。今思うと残酷だったなと思う。
この歳になると43歳がどれだけ若いかわかってくる。
子どもが小さくして離婚し、母親ひとりで育て仕事し病気になる。そんな人生がいかに怒涛でそんな母は幸せだったのか問いたくなることもあります。
だからこそ、わたしは今この歳になってきて自分もそうなってもおかしくないと思うし、さらに母の分まで最高に人生をたのしみたい。
あの日、前日に伝えたい出来事があった。 明日、母に言おうと思った。
でも言えなかった。
みんなそれぞれ悔しい思いをした。
だけど、悪いことばかりじゃない。 母の葬式には100人以上の本当に大勢の人が駆けつけてくれて、わたしはこの日思ったの。 母はわたしにこれだけ私たちを助けてくれる人と出会ってくれた。だから私たちは生きて行ける。
だから不思議と不安はなかった。
人よりも少し早く経験したけど、みんなが経験する道。そんなとき、隣にそっと寄り添える人でありたい。そのために経験したのだと思える日がくる。そのとき強く思ったの。
一日一日を全力で生きて、楽しんで、周りを大事にして生きて行きたい。周りに一生感謝をしながら生きること。
それが母がわたしに教えてくれたことです(о´∀`о)